自転車ペダルの外し方|固くて回らないときの向きとペダルレンチの使い方
ペダルを交換しようとしてレンチに力をかけても、びくともしない。さらに困るのが、「回す向きは本当に合っているのか」と途中で不安になることです。自転車のペダルは左右でねじの向きが異なるため、向きを勘違いしたまま力をかけると、外すつもりが余計に締め込んでしまいます。
対象は、一般的な15mmの工具掛けがあるペダルです。基本は、最初に左右と回転方向を確認し、レンチを奥まで掛けてから長いハンドルでじわっと力をかけること。この順番を守るだけで、無理な力をかけずに外せることがほとんどです。
作業前の注意
自転車は倒れないよう、壁に立てかけるかスタンドを使って安定させてから作業します。チェーンリングの歯や鋭い部分に指や衣類が触れないよう注意し、レンチが急に外れたときに手や体が当たらない位置取りをしてください。
右ペダルと左ペダルでは外す向きが違う
作業前に覚えておきたいのは、車体の右側にあるペダルと左側にあるペダルで、ねじの向きが違うことです。ここでいう右・左は、自転車にまたがったときの向きです。
- 右ペダル(チェーン側):外側から見て反時計回りで外す
- 左ペダル(チェーンのない側):外側から見て時計回りで外す
左ペダルだけが通常とは逆向きの「逆ねじ」になっています。左右を取り違えやすいため、両方を一度に外す場合も、片側ずつ確認しながら進める方が安全です。ペダル軸に「R」「L」の刻印がある場合は、それも確認しておきます。
外す向き早見表
右:反時計回り / 左:時計回り
※左右とも自転車の外側からペダルを見た場合です。
すぐに力をかける前に、まず工具とペダルの形状を確認します。ペダルによって外し方が異なるため、ここを飛ばすと工具が掛からなかったり、ペダル軸を傷めたりすることがあります。
- ペダル軸に15mmの二面幅(レンチを掛ける平らな部分)があるか
- ペダル裏側に六角レンチを差し込む穴があるか
- 左右のペダルを間違えていないか
15mmの二面幅があるタイプはペダルレンチを使用できます。一方、二面幅がなく、クランク裏側から六角レンチだけで着脱するタイプもあります。手元のペダルに合う方法を選んでください。
ペダルレンチの正しい掛け方
ペダルレンチは、ペダル本体とクランクの間にある軸の平らな部分へ掛けます。開口部が途中までしか入っていない状態で力をかけると、レンチが外れたり、軸の角を傷めたりしやすくなります。二面幅に対してまっすぐ、奥まで差し込めていることを確認します。
次に、クランクを回して力を入れやすい位置へ調整します。手が滑った先にチェーンリングの歯やフレームが来ない姿勢を選び、必要ならチェーンリングに厚手の布をかぶせておくと安心です。レンチは急にあおらず、グリップを握ってゆっくり力を増やします。
固くて外れないときは、短いレンチで粘らない長期間外していないペダルは、ねじ部のさびや汚れ、取り付け時の締めすぎなどで固くなっていることがあります。短いレンチでは手に力を入れても十分な回転力を与えにくく、無理な姿勢になりがちです。
こうした場面では、ハンドルの長いペダルレンチを使うと、てこの原理で力をかけやすくなります。ただし、長ければ何をしてもよいわけではありません。レンチがずれる、軸の角が変形している、クランクが大きくしなるといった状態なら、いったん中止してください。
固着が疑われる場合は、ねじの境目に適量の浸透潤滑剤を使って時間を置き、もう一度レンチを確実に掛けて試します。パイプを継ぎ足したり、レンチを強くたたいたりすると、工具だけでなくペダル軸やクランクを傷める可能性があります。無理に続けず、自転車店へ依頼する判断も必要です。
取り付けは最初からレンチで締めない
新しいペダルを取り付ける前に、クランク側とペダル側のねじ山をきれいにし、ペダルメーカーの指示に従ってねじ部へ適切なグリスを薄く塗ります。右ペダルは時計回り、左ペダルは反時計回りで取り付けます。
最初からレンチで回すと、斜めに入ったことに気づきにくく、クランクのねじ山を傷めるおそれがあります。まず手で数回転させ、軽くまっすぐ入ることを確かめてから工具を使います。最後は使用するペダルやクランクの指定トルクに従って締めてください。
注意
ねじ山が斜めに入りそうなとき、途中で急に重くなったときは、そのまま締め込まないでください。一度外してねじ山の状態を確認します。
ペダル交換には、薄くて長い専用レンチが使いやすい
一般的なスパナは、ペダルとクランクの隙間に入らなかったり、ハンドルが短くて力をかけにくかったりします。ペダル交換を自分で行うなら、15mm対応で先端が薄く、十分な長さのある専用レンチを用意すると作業しやすくなります。
PWT ペダルレンチ PW163は、15mmペダルに対応した全長355mmのロングタイプです。先端厚は5mmで、両端に角度の異なる15mm開口部を備えています。作業位置に合わせて掛ける側を選べるため、固く締まったペダルにも落ち着いて力をかけやすい設計です。
- 対応サイズ:15mmペダル/15mmハブナット
- 全長:355mm
- 先端厚み:5mm
- 素材:熱処理カーボンスチール、スチール、TPR
- 生産国:台湾
よくある質問
Q. 自転車のペダルは、左右とも同じ方向に外しますか。
同じではありません。自転車の外側から見て、右ペダルは反時計回り、左ペダルは時計回りで外します。左側は逆ねじです。
Q. 普通の15mmスパナでも外せますか。
ペダル軸に掛かり、十分な作業スペースがあれば使える場合もあります。ただし一般的なスパナは厚くて隙間に入らなかったり、短くて力をかけにくかったりするため、ペダル専用レンチの方が作業しやすいことがあります。
Q. どれだけ力をかけてもペダルが外れません。
まず左右と回転方向、レンチが奥まで掛かっているかを確認してください。浸透潤滑剤を使って時間を置いても動かない場合や、軸の角が傷み始めている場合は、無理をせず自転車店へ相談する方が安全です。
Q. ペダルを取り付けるときも左右で方向が違いますか。
違います。右ペダルは時計回り、左ペダルは反時計回りで取り付けます。最初は必ず手でねじ込み、斜めに入っていないことを確認してから工具で締めます。
うまく外れなくても、焦らなくていい
固いペダルほど無理に回し続けたくなりますが、レンチがずれる、軸の角が変形する、姿勢が崩れるといった状態が続くなら、いったん手を止める判断も整備のうちです。ペダル軸やクランクを傷めると、結果的に部品交換の範囲が広がり、費用も手間も増えてしまいます。
浸透潤滑剤を使っても動かない、工具が確実に掛からないと感じたときは、自転車店に持ち込んで相談してください。取り付けの際も、右は時計回り・左は反時計回りという向きと、手でまっすぐ入ることの確認だけは省略しないようにします。
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