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バイクのブレーキフルード交換時期|色で見分ける3つのサイン

バイクのブレーキフルード交換時期|色で見分ける3つのサイン

ブレーキフルード(ブレーキ液)の替え時は、リザーバータンクののぞき窓を見れば見当がつきます。新品はほぼ無色か薄い黄色、劣化が進むと麦茶のような茶色。色がついてきたら交換のサインです。

よく言われる目安は2年ですが、これは「あまり乗っていないから大丈夫」が通用しない類の消耗品で、止めたままでも劣化が進みます。とくに車検のない250cc以下は交換の節目が強制的には来ないため、乗る頻度に関わらず、自分で交換時期を記録しておかないと大きく超えてしまうことがあります。

この記事でわかること

  • のぞき窓の色で替え時を見分ける基準
  • 走らなくても劣化が進む理由と「2年」の根拠
  • 液面が下がっていたとき、補充より先に確認すること
  • やりがちな失敗3つと、店に任せる判断の線引き

のぞき窓が麦茶色なら替え時です

バイクのブレーキフルードリザーバーのぞき窓クローズアップ

前ブレーキのリザーバータンクはハンドル右側にあります。多くの車種で側面に小さなのぞき窓(サイトグラス)が付いていて、工具なしで液色を確認できます。

新品のフルードはほぼ無色から薄い黄色。そこから飴色、麦茶色、コーヒー色へと進んでいき、麦茶色あたりが交換時期のサインです。コーヒーのような濃さなら、替え時はだいぶ前に過ぎています。

リアブレーキのリザーバーはシート下やステップ付近にあることが多く、半透明の樹脂タンクなら外から液色が見えます。前後で劣化の進み方は揃わないので、見るなら両方。

「2年ごと」と言われるのは水分を吸うから

ブレーキフルードが水分を吸収して沸点が下がる仕組みの図解

多くのバイクが使うグリコール系のブレーキフルード(DOT3・DOT4といった規格のもの)には、空気中の水分を取り込む性質があります。水分が増えると沸点が下がり、長い下り坂などでブレーキを使い続けたときにフルードが沸騰して気泡が生まれ、レバーを握っても圧が伝わらなくなる。ベーパーロックと呼ばれる、ブレーキが効かなくなる重大なトラブルです。

厄介なのは、水分量が見た目ではわからないこと。色は劣化の目安にはなりますが、「まだ薄い色だから安全」と言い切れるものではありません。水分の吸収は走行距離とは関係なく進むため、多くのメーカーは距離よりも期間を優先して交換時期を示しており、一般には2年ごと・車検ごとが目安とされています。正確な周期は車種の取扱説明書の指定に従ってください。

車検のある251cc以上は、車検整備のタイミングで交換されることが多い項目です。車検のないクラスはその機会がないぶん、自分でカレンダーに入れておかないと本当に忘れます。

工具なしでできる点検3ステップ

点検だけならキャップを開ける必要はなく、外から見るだけで済みます。

1. 車体をまっすぐ立てて色を見る

サイドスタンドのままだと液面が斜めになり、色も量も見誤ります。センタースタンドをかけるか、車体を垂直に起こした状態で。窓の中に濁りや沈殿物がないかも一緒に見ておきます。

2. 液面がLOWERとUPPERの間にあるか

リザーバーにはLOWER(下限)とUPPER(上限)の刻印があります。この間に液面があれば量としては正常。LOWER近くまで下がっていたら、次の章の切り分けに進んでください。

3. レバーの感触を覚えておく

握り始めがスポンジのようにフワッとする、以前より奥まで入る。こうした変化は劣化やエア噛み(ブレーキラインに気泡が入ること)のサインです。あくまで以前との比較の問題なので、月1回さわって感触を覚えておくと変化に気づけます。

液面が下がっていたら、先に疑うのはパッドの残量

摩耗したブレーキパッドとキャリパーピストンのクローズアップ

液面低下=漏れ、と考えがちですが、先に疑う場所は別にあります。ブレーキパッドです。

パッドが摩耗すると、減った厚みのぶんキャリパーのピストンが押し出され、その体積分のフルードがホース側に移動します。パッドが減れば液面は自然に下がる。故障ではなく、構造上そうなります。

ここで何も考えずUPPERまで継ぎ足すと、あとでパッドを交換してピストンを押し戻したとき、行き場を失ったフルードがあふれることがあります。液面が下がっていたら、補充の前にパッド残量の確認。順番はこれが定石です。

パッドは減っていない、こぼした覚えもない。それでも液面が下がっているなら、どこかで漏れている可能性があります。この場合は乗るのをやめて、バイク店へ。

パッド残量の見方はバイクのブレーキパッド交換のやり方|初心者向け5ステップで手順ごと整理しています。

初心者がやりがちな失敗3つ

ブレーキフルード点検で初心者がやりがちな失敗3つの図解

失敗1. 気になってキャップを開けてしまう

フルードは空気に触れた瞬間から水分を吸い始めます。様子見のためにキャップを開けるのは、劣化を早めるだけで得るものがありません。点検はのぞき窓で完結させて、開けるのは補充か交換のときだけ。開ける場合も、先にキャップ周りの砂やゴミを拭き取ってからにします。

失敗2. 原因を確かめずに継ぎ足す

前の章の通りです。パッド摩耗で下がった液面に補充すると、パッド交換時にあふれる原因になります。漏れが原因なら、補充したところでブレーキが効かなくなるリスクは消えません。減った理由を確かめてからでも、補充は遅くありません。

失敗3. こぼしたフルードをウエスで拭くだけで済ませる

グリコール系フルードは塗装を侵します。タンクやカウルに付いたままにすると塗面が荒れ、乾いたウエスで拭き広げると被害範囲が広がる。対処は大量の水で流すことです。作業するときは、濡らしたウエスをリザーバー周りに敷いておくと保険になります。

交換そのものは、店に任せる判断も間違いではありません

バイク店でのブレーキフルード交換・エア抜き作業

交換にはエア抜きという工程が必須です。ブレーキラインに気泡を残さず新しいフルードへ入れ替える作業で、ここで気泡が残るとブレーキが効かなくなります。ブレーキは保安部品。少しでも不安があるならバイク店や用品店に任せるのが堅実で、個人的には工賃を惜しむ場所ではないと思っています。

自分でやると決めた場合も、作業前に確認しておくことが3つあります。

  • 取扱説明書で指定のDOT規格を確認する。DOT4指定が多いものの車種によるので、規格や銘柄の混用は避ける
  • 例外として、一部の車種はシリコン系のDOT5を指定している。広く使われるグリコール系(DOT3・4・5.1)とは別物で互換性がないため、必ず指定に従う
  • 塗装の養生。リザーバー周りを濡れウエスで覆ってから作業する

交換手順の詳細は、この記事では踏み込みません。替え時の見分けと原因の切り分けまでが今回の範囲です。

キャップを開ける段階で最初に要る工具

点検だけなら工具は不要です。補充や交換でキャップを開けるとき、最初に必要になるのがキャップの+ネジを確実に回せる工具。リザーバーのネジは小さいわりに固く締まっていることが多く、なめると厄介な場所です。押し付けながら回せるコンパクトなラチェットがあると回しやすくなります。

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本記事は点検と判断の参考情報です。ブレーキは保安部品のため、交換周期・使用フルード・作業可否は車種の取扱説明書とメーカー指定が優先します。効きの異常やレバーの違和感がある場合は運転を控え、バイク店・用品店に相談してください。

よくある質問

Q. 交換は何年ごとですか?

一般には2年ごと・車検ごとが目安と言われますが、正解は車種の取扱説明書の指定です。車検のない250cc以下は交換の節目が来ないので、前回いつ替えたかをスマホのメモに残しておくと忘れません。

Q. 色は茶色ですが効きは普通です。急ぐ必要はありますか?

フルード交換は効きが落ちてから行うものではなく、落ちる前に行う予防整備です。水分による沸点低下は普段の効きには出ず、ブレーキを酷使した場面で突然現れます。色が変わっているなら、近いうちに交換して損はありません。

Q. 継ぎ足しだけで済ませてもいいですか?

減った原因によります。パッド摩耗による低下なら補充ではなくパッド側の対応が先で、漏れなら走行をやめて店に相談です。吸湿はフルード全体で進むため、継ぎ足しは応急処置にしかなりません。

次に迷うことがあれば

バイクメンテナンスの関連トピックへの案内図

液面の章で出てきたパッド残量はバイクのブレーキパッド交換のやり方|初心者向け5ステップで確認できます。ブレーキに限らず月1回の点検を習慣にするならバイクのボルト緩み点検|月1回の習慣化ガイド、これから工具を揃える段階ならバイクの日常メンテナンス入門が入り口です。

次の記事 バイク洗車で濡らしてはいけない3つの場所

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